着物の前に人を見る
娘が成人式できた着物。私のお古なので、25年ぶりに着たものだし、しばらく着る予定もないし・・・いまいちお手入れに自信がないので、丁度、小物を購入した呉服屋さんで、京都のお手入れ業者の方の相談会がある、と聞いたので、振袖と長襦袢をもって行ってきました。
「私の着物を今年娘が来たんですけど、お手入れってよくわからなくって~」と、いいながら着物を見せて会話が始まり・・・
「お客さん、着付け習ってました?」
「はぁ、もう30年近く前で、すっかり忘れちゃいましたけど・・・」
「着付け習ってた人の畳み方だから」
そんないろいろな畳み方があるのか?着物ちゃんと畳まずに持ってくる人もいるのか?と思いつつも、ここまでは、なんとなく普通の会話。
「お客さん、頭の回転早いですね」
「はあああ???」
これはお世辞?どうリアクションすればよいのか?と思いつつ・・・
「それって、私落ち着きないからですかね~?それか、しゃべるの早いから?」
「いやぁ、1つ先のことを考えてしゃべってるから」
「そんなん、しゃべってて分かるんですか?」
「私ら、着物見る前に人を見てるんですよ。どんな人かによって、着物がどうなりやすいか、どういうお手入れしたら、その人にとっていいか、分かるから」
はああ~っと、ここで感心してしまいました。
まあ、どこまでほんとなのか分かりませんが、確かに相手の性格とか気にしながら着物も見ているようです。
お客さん商売している人にとっては、当たり前のことかもしれないのですが、妙に感動してしましました。
普段から着物を着慣れている人は、姿勢が違うし(私は猫背です)、手のひらを上品に重ねるそうです(私は腕組んでました)
はっは~。
「私も、もうちょっと落ち着いたら、着物きたいな~って思ってるんですけどね~。でも、もうちょっと落ち着きがないとだめですよね~」といったら、「元気だから、いつでも着れますよ。落ち着いてから着物着るんじゃなくて、着物きたら、落ち着くんですよ」とのことでした。
初めてあった人にも、誰にでも見破られてしまう、この落ち着きのなさ(汗)・・・でも、おしゃべりは楽しかった。