実力も運のうち
サンデル教授の「The Tyranny of Merit」の翻訳本。
タイトルを直訳すると、「功績による独裁政治」という感じ?
私には、さらっと読める感じではなかったですが、本田由紀先生が最後に、わかりやすい解説にまとめてくださっており、理解の助けになりました。
いわゆる優秀といわれる大学の学生は裕福な家庭出身が多い・・・というのは何度か聞いたこともあって、「自分の実力と思っているものも、どういう家庭(国・人種)に生まれたか、という運にかかっているんだよね」というニュアンスの日本語タイトルと思いましたが、「能力主義(meritcracy)=功績主義」に潜む危険性を知らしめてくれる本、と考えた方がよさそうです。
「貴族主義」ではなく「能力主義」というと聞こえはいいが、自分の能力(高学歴?)は自分が頑張ったから・・・という想いに支配され、結局は学歴偏重社会、そして分断を引き起こしているのかも知れません。。。
そんな中で、これからのキーワードは「共通善」「道徳」であってほしいと思うのです。