日本ってどんな国?
どなたに紹介して頂いたのか忘れたのですが・・・きちんとデータをみて、海外と比較して、日本という国を見てみよう、という趣旨の本です。
そして、読んでみて思ったのですが、漠然と「日本ってこんな国」と言われていることが本当なのか、ちゃんとデータで比較すると見えてくる・・・という部分もあるし、データがあっても、それをどう解釈するのかも難しいな、というのが感想。
これは、日ごろ私がサイエンス系のデータしか見ていないので、こういう社会学的なデータを見ても「本当にそれってそう解釈できるの」とか「日本と海外で、そもそも同じ調査ができている?」とかが気になってしまうからなんですね・・・
・・・という気になりモードはおいておいて・・・
私が面白いなと思ったのは、
妻の家事分担比率が低い国々では、家事分担比が多くなるほど妻は不平等だと感じるのに対して、妻の家事分担比率が高い国々(日本が典型的!)では、妻が家事を担当すればするほど、むしろ不公平感が下がるというもの。
あまりにも偏った状態の国で暮らしていると、何が「普通」で「当然」なのか麻痺してくる、という解説でした。
妻が就労状況という交絡因子があるのでは?(そこを補正?したようなデータを見てみたい)と思いつつも、なるほど~でした。
それから、友だち、の項では、他の国に見られない特徴として、科学リテラシーが高い生徒は「他の生徒にからかわれた」比率が上昇しており、他国では、テストの成績が良いほど、いじめの被害経験は減少しているのとは逆の傾向が日本にはある。日本の男性は「まじめ」であるほど友人数が少ない・・・
日本の学校というものを考えさせられる内容でした。
日本は「やばい国なんだぜ」というのを伝えたかった部分もあろうかと思いますが、経済・仕事の項の、ジョブ型/メンバーシップ型の話では、日本のメンバーシップ型雇用もこの本を読んで悪くないな、と思ってることもあり・・・
書かれている解釈を全て鵜呑みにするのではなく、自分自身でもデータを見ながら、自分なりの考えを持とうと思った、というのが、この本からの学びでした。