50銭かけて10銭拾う
石田梅岩の「都鄙問答」の「商人の道を問うの段」にこのような文があるそうです。
欲心なくして、一銭の費えを惜み、青砥左衛門が、五十銭を散して、十銭を天下の為に惜しまれし心を味わふべし。
夜に小川に落とした10銭を拾うのに、松明を買って人足も雇い、50銭かけた、という話を聞いて、人は笑ったけれども、石田梅岩は評価をした、とのこと。
私も、この話を聞いて、最初、それは40銭もマイナスになるのになぜ?と思ったのですが・・・
10銭銅貨を川に落とすと、それだけの価値のものが社会からなくなることになる。
一方、拾うために使った50銭は、松明を売った人の所に行き、また人足もお金を得ることができ、経済を豊かにすることができる、天下の財産を回すことになる、と。
なるほど~~でした。
社会全体の経済を考えて評価された、ということなのですね。視座が違います!